カテゴリー「科学」の15件の記事

2012年3月11日 (日)

虹はなぜできる?

これも光に長い波長のものと短い波長のものが含まれているために起こる現象。

 

原則として、虹は太陽光が雨の水滴に当たって見える現象なので、虹を見ている人の背中に太陽があり、その正面に虹ができる。

 

光は透明なものへ入るときと出るときに「屈折」をする。

太陽光が雨の水滴へ入るときにも同じようの屈折が起きている。

さらに水滴の中で「反射」もしている。

光の色によって反射する角度が決まっていて、紫なら40°、赤なら42°で反射する。

 

光が反射している水滴はほぼ球体なので、紫色なら見ている人から40°の位置に大きな円を描く。

実際には太陽との位置関係で遠くに見える虹はアーチ状に見える(地表に近い部分は見えない)。

 

 

 

月がぼんやり見えるのはなぜ?

月に雲がかかったときにぼんやり白っぽく見えるのはどうしてなのか?

 

これも光が波の性質を持っていることに由来する。

波は狭い隙間を抜けるときに弱まりながら、円を描く性質がある。

光が水分子(水蒸気)の間を抜けるときにも同じ現象が起こり、これを「回折」と呼ぶ。

 

回折する角度は光の波長によって違うので、色が分解される。

色の三原色である、赤・青・緑の三色が合わさると白になる。

回折によって分解された光が様々な大きさの水分子の間を抜けてくる。

その結果、人の目に入るときには白に近い色に見える。

 

分解された光の順番に並んで虹のように見えることもある。

これは「彩雲」や「光冠」「ブロッケン現象」といった現象を見せてくれる。

 

 

 

空はなぜ青い?

動画の転載だけではちょっと手抜きだなぁ ということで、改訂版。

 

まず「太陽光」の性質について。

光は波の性質を持っていて、色によって波長が異なる。

青に近い色ほど波長が短く、赤に近い色ほど波長が長い。

 

その太陽光は地球の大気を通って地表に届く。

大気には様々な分子が含まれていて、太陽光はその分子に衝突する。

その現象を「散乱」と呼び、波長の短い光ほどよく散乱する。

 

つまり青色に近い色ほどよく散乱するので、空の色は青く見えるということになる。

 

しかし夕方の空は赤くなることが多い。

地表に対する距離が昼間より大きくなるので、より多く散乱して青色に近い色は遠くで散乱してしまう。

残った赤色に近い色だけが届くことになり、夕焼けの赤色になる。

 

 

 

2012年2月28日 (火)

日本応用動物昆虫学会誌

越冬している昆虫はどうやって凍結から自分の身を守っているのか?

今回は2本の論文からその謎にせまってみようと思う。

 

論文の内容に入る前に、昆虫の低温対策が2通りあることを簡単に説明しておこう。

① 凍っても死なないようにする (耐凍性・耐凍型)

  ・ 体内に比べて表皮や筋肉の過冷却点が高い 

② 体が凍らないようにする (非耐凍性・非耐凍型)

  ・ 体内から凍ることを防ぐため、氷核を減少させる(氷核=凍るきっかけとなるもの)

  ・ 多糖類などの凍結しにくい物質を体内に蓄積させる(過冷却点を下げる)

 

 

「昆虫の低温耐性と氷核 -主にニカメイガの知見を中心に」

日本応用動物昆虫学会誌 (44)No.3 149-154 (2000)

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaez/44/3/149/_pdf/-char/ja/

 

この論文では、②の昆虫が行うような不凍結物質を蓄積する上に、表皮の過冷却点が高いという特徴を持つニカメイガについて報告がされている。

 

冬季ニカメイガの体液中にはグリセロールやトレハロースが多くみられ、-25℃の低温(凍結)にも耐えることができた。

グリセロールやトレハロースは不凍化物質として、ニカメイガの凍結を防いでいるが、春になると蓄積量が減少し、それと共に低温耐性も低下した。

しかしながら、グリセロールやトレハロースの蓄積量とは関係なく、ニカメイガの過冷却点は-14℃前後であったことから、凍結しても生存が可能な機構が存在している。

 

組織ごとの凍結温度は大きく異なり、表皮や筋肉が最も高く、体液が最も低かった。

また表皮や筋肉には凍結を誘導する氷核が存在していた。

氷核はフザリウムによる外因性氷核の可能性も示唆されたが、確定はできなかった。

内因性氷核が活性化する要因として、幼若ホルモン(休眠ホルモン)が作用していると考えられた。

 

短日条件(昼10h:夜14h)のニカメイガ終齢幼虫を低温順化させ、幼若ホルモンを塗布すると表皮と筋肉の凍結温度が上昇した。

また休眠を打破する、脱皮ホルモン(エクダイソン)を野外で越冬中の幼虫に注射すると、表皮と筋肉の凍結温度が低下した。  

このことから幼虫ホルモンは氷核を活性化し、脱皮ホルモンは氷核を不活性化させることがわかった。

 

体内を凍らせないために不凍結物質を溜め込んで、氷核のコントロールをすることで、凍っても大丈夫な部分だけ凍らせて、春になったら脱皮して凍って痛んだ皮を脱ぎ捨てるという戦略なのだと思う。

 

 

「過冷却点と短期間および長期間の低温暴露によるイネミズゾウムシの耐寒性の評価」

日本応用動物昆虫学会誌 (55)No.3 141-146 (2011)

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaez/55/3/141/_pdf/-char/ja/

 

こちらの論文では耐寒性について、乾燥した条件(自発的過冷却点)なのか、湿潤な条件(植氷過冷却点)なのかという2通りの検証すべきだという点と野外を想定した複数回の低温での生存率を検証している。

 

イネミズゾウムシ成虫の自発的過冷却点は-8℃~-20℃(-15.22±0.35℃ 平均値±標準誤差)で凍結し、植氷過冷却点は-3℃~-15℃(-10.48±0.54℃ 平均値±標準誤差)で凍結していた。

凍結した個体は全て死亡していた。

体組織の凍結はイネミズゾウムシにとって、致命的効果があると考えられる。

 

乾燥条件、-10℃、3時間処理では、回数が増加するについて生存率は減少し、12回処理後の死亡率は30.5%(初回1.0%)となった。

湿潤条件、-10℃、3時間処理では、7回目処理ですべての個体が死亡した(初回30.5%)。

湿潤条件、-10℃、10日間処理で34.0%の個体が、20日間の処理ではすべての個体が死亡した。

 

-3℃では死亡がほとんどみられないが、20日以上-10℃にさらすとほとんどすべてが死亡し、生存の限界温度は-3~-10℃の間に存在すると推定された。

 

イネミズゾウムシの越冬場所は水田周辺の枯れ草や山林内の落ち葉の下などで、地表2cm付近の間に集中している。

札幌市羊ケ丘で観測された地温データ(12月~3月)によると、日最低気温の月別平均は-7.2~-11.7℃であるのに対し、地下5cmの温度は-0.8℃までしか低下しなかった。

芽室町で積雪深20cm以上あれば、地表から4.5cmまでの地温は-3℃以下にはならず、積雪がない場合には気温が-30℃に低下しても地温は-12℃までしか下がらなかった。

 

日本においてイネミズゾウムシの越冬場所が-10℃以下になることは稀であると考えられ、本種は越冬するのに十分な耐寒性を有していると推定された。

 

 

□ 用語 □

 

過冷却  

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%86%B7%E5%8D%B4 (ウィキペディア)

 

氷核

http://www.bio.kansai-u.ac.jp/Microbial/hyoukaku.html (関西大学 微生物工学研究室)

 

グリセロール

http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no20/index.html 

(サイエンティスト・ライブラリー)

 

 

2012年2月20日 (月)

体育学研究 (56) 89-103, (2011)

挫折から立ち直るにはどんなプロセスが必要なのか?

そんな問いの答えをスポーツ選手の事例から導き出したもの。

 

「スポーツ選手の挫折とそこからの立ち直りの過程:男子中高生競技者の質的研究の観点から」 体育学研究 (56) 89-103, (2011)

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/56/1/89/_pdf/-char/ja/

 

挫折 → 葛藤 → 仲間 → 立ち直り

とても短く要約するとこんな感じだろう。

 

この文献の結論から引用すると結論は以下の通り。

『自己の目標が達成できなかった際に、競技の継続について葛藤し、共同的主体性の向上によって立ち直る過程』

 

中高生の運動部活動ではメリットとデメリットがある。

 メリットは「学習意欲の向上」「学校生活の充実」「ライフスキルの獲得」

 デメリットは「部活動不適応」

「ライフスキルの獲得」は敬語であったり、規律であったり、問題解決力といったものを指していると思われる。

「部活動不適応」は冷やかしやいたずら、からかい、仲間はずれなどの人間関係の他に、怪我やスランプといったものによって続けていく意欲を失くしてしまった状態を指していると思われる。

 

また別の研究から、怪我からの復帰について

「否認」 → 「怒り」「取り引き」「抑うつ」 → 「受容」

という過程から心理的に成長していくと記述されている。

 

受容(=立ち直り)に至った選手は「情緒の安定性」「時間的展望」「所属運動部一体感」「脱執着的対処」の4つが観察されている。

 

ここまでが前段で、これから調査内容に入る。

調査の対象はスポーツ推薦入学者(首都圏)の大学1年生の男性59名。(女性もいたが、数が少なかったので除外)

 

自由記述形式の以下の質問に対して3事例以上記述してもらい、181事例を収集した。

① 挫折の内容(辛かった出来事)

② 当時の心境(その出来事を当時どのように考えていたか)

③ 立ち直りのきっかけ(そこから学んだこと)

 

事例

① 結果の出ない時期が長く続いた

② 焦りが出てくるとともに不甲斐ない自分への腹立たしさがあった

③ そんなときにコーチから新しい練習方法を教えてもらいスランプから脱出できた

 

データの分析方法はKJ法を用いた。

分析に際して、まず専門領域の違う複数研究者による熟読を行った。(福祉社会学、スポーツ心理学、健康心理学)

次に質問内容に関係している単語や文章を切り取り、それらにコードをつけていく。(オープンコーディング)

関連するコードごとにカテゴリー化していき、それらをサブカテゴリーか高次のカテゴリーへつなげていくようにして概念の整理を行った。

 

①の事例から「結果が出ない」を切り取る → 〈結果が出ないこと〉というサブカテゴリーに入れる → 《自己目標達成の障害》というカテゴリーに入れる

②の事例から「腹立たしさ」を切り取る → 〈あきらめたくない〉というサブカテゴリーに入れる → 《競技継続の葛藤》というカテゴリーに入れる

③の事例から「新しい練習方法」を切り取る → 〈気持ちを切り替えること〉というサブカテゴリーに入れる → 《共同的主体性の向上》というカテゴリーに入れる

 

こうして概念の整理を行った結果から導き出されたのが、冒頭の引用『自己の目標が達成できなかった際に~』となる。

 

この研究では挫折を乗り越えた競技者だけを対象にしているので、前向きな言葉が多く見られたと思われる点を注意しておきたい。

挫折は回復不能なものではなく、立ち直ることのできるものとして表現されており、これは高い競技レベルにあるものを対象にしたためだと思われる。

 

 

□ 用語 □

KJ法

http://www.h-yosikawa.com/kouza/kouzapdf/kj/kj.pdf (沖縄大学 吉川研究室)

 

グラウンデッド・セオリー(オープンコーディング)

http://pweb.sophia.ac.jp/oka/edu/qr/semieva98.html (上智大学 岡研究室)

 

 

2012年2月17日 (金)

日本雪工学会誌 (24) No.4 4-10, (2008)

昨日のはコピペしてないだけで、タイピングの練習をしたようなもの。

要約とは言えないものだった・・・

 

ということで、仕切り直し。

今日も風雪でJRが運休になっていたので、少しだけ近い話題から。

 

「高盛土に対応した新型防雪柵の開発とその視程障害緩和効果について」

日本雪工学会誌 (24) No.4 4-10, (2008)

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jsse/24/4/260/_pdf/-char/ja/

 

まずこの論文の中で出てくる新型柵は高速道路に設置することを前提にしている。

道央道の江別以北などでは盛土の上に高速道路が造られていることが多い。

道路の脇に設置する柵は道路から風上側に6.5m~10mの地点に設置されている。

そうすると盛土の法面に柵を設置することになるため、その効果を出すには背の高い柵が必要になる。

しかし高い位置に風を受けると強度の問題で工費が増加してしまう。(基礎の強化など)

 

そこで新型柵は、

柵高 7m

上部 2.535mを空隙率80%のメッシュパネル

中央部 2.085mを空隙率30%の有孔板

下部 2.335mを無孔板

の構成とした。

空隙率を高めることで基礎の大きさは北海道開発局の標準吹き止め柵(柵高5m、以下、標準柵)のと同程度になった。

 

厚田村で行われた実験では、

柵からの距離6.5~30m(4車線相当)

雪面からの高さ1.0m~2.0m(ドライバーの目線相当)

の風速比で減風効果を調べた。

 

(標準柵)

 高さ1.0~2.0、距離6.5~20mでは風速比0.3以下となった。

 これより遠い地点では風速比0.4程度となった。

(新型柵)

 高さ1.0~2.0、距離6.5~15mでは風速比0.3~0.4となった。

 距離15m~28mでは風速比0.3以下となった。

 

次に柵無設置地点、標準柵設置地点、新型柵設置地点を設けて視程の違いを調べた。

それぞれの設置地点の微地形による影響を取り除くために補正をしている。

 

(風向と柵が90°で交差する場合)

 無設置地点の平均視程は85m

 標準柵地点の平均視程は229m

 新型柵地点の平均視程は328m

(風向と柵が67.5°で交差する場合)

 無設置地点の平均視程は77m

 標準柵地点の平均視程は210m

 新型柵地点の平均視程は817m

 

以上から、減風効果については標準柵と新型柵の効果は同程度。

視程の改善においては新型柵の効果が高いことがわかった。

 

 

実際の事例から一つ。

http://glacier.ees.hokudai.ac.jp/snow/pub/0117/Chap4.pdf (2010年1月17日)

NEXCO東日本気象観測局(北郷IC)で視程300m~400m、風速1~3m/s程度。

強い降雪による通行止め(札樽道全線、道央道千歳IC~岩見沢IC間)

 

補足としてもう一つ。

「JR北海道プレスリリース 強風対策について」

http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2012/120206-1.pdf  

札沼線のあいの里公園駅と石狩太美駅の間にある石狩川橋梁の防風柵を増設したという内容。

この中に強風時の運転規制について記載されている。

一般区間でも風速30m/s以上になれば運転中止となるらしい。

 

 

2012年2月15日 (水)

日本緑化工学会誌 (36) No,4, 475−479, (2011)

社会復帰へのリハビリを兼ねて文献の要約をやってみることにした。

三日坊主にならないように自分のペースで続けてみたいと思う。

 

文献要約の1本目は

「日本緑化工学会誌 (36)No,4, 475−479,(2011) 

オニグルミのアレロパシー活性がニセアカシアの実生の初期生長に及ぼす効果」

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsrt/36/4/475/_pdf/-char/ja/

 

【導入】

蜜源植物として中国から導入されたニセアカシアは環境省の要注意外来生物に指定されている。

河畔など湿った場所を好み群落をつくるため、イネ科多年生草本群落やヤナギ類群落ではニセアカシアの侵入で植生図が塗り替えられてしまうこともある。

しかしオニグルミ群落においてはニセアカシアの侵入が極めて少ないことが確認されている。

これはオニグルミによるアレロパシーが関与していると考えられる。

オニグルミの(葉、根、枝、偽果)にはユグロンが含まれている。特に根には高濃度のユグロンが含まれている。

ユグロンの純品を使用した実験ではニセアカシアの初期生長を50%阻害することが報告されているが、野外条件下での効果は検証されていない。

 

【方法】

(混植実験)

混植実験を用いたアレロパシー活性の評価と根圏土壌法を用いたアレロパシーの検定を行った。

混植実験では樹高約11cm(30日間栽培)まで育てたニセアカシアの苗と樹高75cm(2年10ヶ月間栽培)まで育てたものを用いた。

混植区と対照区の2つを設けて、混植区では7本のニセアカシアと1本のオニグルミを同時に移植して栽培した。

苗木はオニグルミを中心にそこから8cm離れた周囲に7cm間隔でニセアカシアを配置した。

根の物理的な競合を避けるため、ニセアカシアは約5cm、オニグルミは15cmの深さに根を移植した。

栽培に使用した土壌は栄養分を含まない石英砂を用いた。

栽培期間中、毎日水を与え、ハイポネックス原液6-10-5を500倍希釈して3日に1回与えた。

16℃~22℃の栽培温度で45日間栽培したあと、ニセアカシアを収穫して乾重量を測定した。

解析には乾重量が最低と最高の個体を除いた5個体を対象とした。

実験では同一処理区について3反復で行った。

また実験の終了と同時に栽培に使用した土壌中のユグロンを定量した。

 

(根圏土壌法)

根圏土壌法ではオニグルミの根が他の植物の生長に影響を及ぼす範囲を明らかにすることを目的に実施した。

オニグルミを6ヶ月間栽培して土壌を採取した。

既往実験と同じ培養土(クレハ園芸培養土)を用いた。

土壌の採取は空中振とう法に従い、オニグルミをポットから取り出して根を軽くほぐした後、軽く降って落ちた土壌を「根域土壌」、根の表面に付着していた土壌を「根圏土壌」と定義した。

採取した土壌は根毛を除去した後、6穴マルチディッシュの各穴に乾土3gになるよう根圏土壌4.24gを入れた根圏土壌区と根域土壌3.88gを入れた根域土壌区を作った。

各穴に寒天溶液を加え、土壌と混合して固まらせた。

寒天が固まった後、さらに寒天を加え、土壌をサンドイッチ状に挟み込んだ状態で再び固まらせた。

この寒天培地上に検定植物としてレタスと10分間の濃硫酸処理を施したニセアカシアの種子を1穴につき5粒づつ置床した。

6穴マルチディッシュはフタをしてテープで密閉して25℃の暗黒下で3日間培養した後、レタスとニセアカシアの幼根長と下胚軸長を測定した。

解析には幼根長と下胚軸長の値が最高と最低の個体を除いた3個体を対象とした。

実験では同一処理区について5反復で行った。

また土壌を入れないマルチディッシュを対照区とし、対照区に対する各土壌の値を阻害率として求めた。

 

【結果と考察】

(混植実験)

乾重量は対象区に対して、混植区は約50%の値となった。

混植区ではニセアカシアの一部の根で先端が褐色に変色し、ネクロシスを起こしていた。

混植区の土壌ではユグロンのピークが検出された。

混植区でのニセアカシアの量および根の褐色への変色の2点から、オニグルミの根から放出されたユグロンによる効果と考えられた。

オニグルミの根から放出されるユグロンはニセアカシアの初期生長を阻害する量が土壌中に保持されていることがわかった。

 

(根圏土壌法)

ニセアカシアの発芽率は全ての処理区で100%を示した。

レタスの発芽率は対照区と根域土壌区で100%、根圏土壌区で96%を示した。

ニセアカシアの幼根長は対照区の23mmに対して、根域土壌区は17mm、根圏土壌区は13mmと低い値を示した。

阻害率は根域土壌区で26%、根圏土壌区で43%となった。

下胚軸長も同様の傾向を示した。

レタスの幼根長は対照区の41mmに対して、根域土壌区は35mm、根圏土壌区は29mmと低い値を示した。

阻害率は根域土壌区で15%、根圏土壌区で29%となった。

オニグルミによる阻害率はニセアカシアとレタスの両方で根圏土壌区の方が高かった。

このことから土壌中でのオニグルミのアレロパシー活性は、オニグルミの根の付近で高く、根から離れると低下すると考えられる。

 

レタスの幼根長の阻害率について、アレロパシー活性を持つ6種の外来種では次のようになる。

サボン45.3%、オジギソウ33.1%、パラミツ25.1%、タカヤサン16.8%、ホウオウボク13.6%、アカギ0%

オニグルミは29%であることから、比較的高いアレロパシーを持つことがわかる。

 

【おわりに】

ニセアカシアの初期生長を阻害する量のユグロンが土壌中に保持されていることがわかった。

根圏土壌法によって、オニグルミの根の近くの土壌ほど、ニセアカシアの初期生長を阻害する効果が高いことがわかった。

このことからニセアカシアがオニグルミ林へ侵入しにくい要因のひとつとして、オニグルミのアレロパシー活性が関与していると考えられた。

 

 

□ 用語 □

ニセアカシア(ハリエンジュ)

http://elekitel.jp/elekitel/nature/2002/nt_07_niseak.htm 

(ゑれきてる 自然を読む 樹木の個性を知る)

 

オニグルミ

http://elekitel.jp/elekitel/nature/2003/nt_14_onigurumi.htm

(ゑれきてる 自然を読む 樹木の個性を知る)

 

ユグロン

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%B3

(ウィキペディア)

 

アレロパシー

http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/inovlec2004/1-3.pdf

(農業環境技術研究所)

 

ネクロシス

http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/200/500/yakugai/232.pdf

(宮崎県病害虫研究所)

2012年2月 8日 (水)

【おうちでサイエンス(干しぶどうから酵母分離実験)】 番外編

残った液種からアルコール臭がするので、ウチにある材料で蒸留装置を作ってみた。

 

12020801

(左から、液種、冷却装置、蒸留液を入れるボトル)

 

完全なものではないけれど、ウチにある材料で作ったわりにはよくできていると思う。

冷却装置の容量が小さかったので冷却水があっという間にぬるくなってしまったけど・・・

 

12020802

(取り出せた蒸留液)

 

とりあえず舐めてみたけど、マズかった・・・

でもニオイは液種のもの

 

この蒸留液にアルコールが含まれているかを検証するためにアルコールパッチテストをやってみることに。

 

12020803

(左上が使用後、左下が絆創膏を剥がした直後、右下は絆創膏を剥がして10分経過後)

 

お酒にあまり強くない自分の体質を利用したとはいえ、見事に色が変わっていたので、この蒸留液にはアルコール(=エタノールのはず)が含まれていると思われる(度数などは不明)。

 

我が家にいろんな材料があってよかった♪ 

(↑ 入手先はアクアショップや東急ハンズ、ホーマック)

アルコールパッチテストについては以下のページを参考にした。

http://www2.hama-med.ac.jp/w1a/health/kyouiku/kisohai/2002_1/2002_1_patti.html

 

 ・ 絆創膏をはがした直後に赤くなる→ALDH2不活性型

 ・ 絆創膏をはがして10分後に赤くなる→ALDH2低活性型(赤型タイプ)

 ・ 肌の色に変化なし→ALDH2活性型(白型タイプ)

  ※ ALDH → アルデヒド脱水酵素2

 

 

2012年2月 5日 (日)

【おうちでサイエンス(干しぶどうから酵母分離実験)】  最終日

干しぶどうから分離した酵母でパンを焼くのが目標だったので、これでこの実験は一区切り。

この10日間十分に楽しませてもらった。

発酵の仕組みやパンが膨らむ仕組みを深く知ることができたことが何よりの収穫。

 

実際に焼いたパンはイメージ通りにならなかっただけに、普段何気なく食べているパンがこんなに難しい食べ物だとは思わなかった。

 

 

120204

(オーブンで焼いたコッペパン???)

 

1202051

 

1202052

(ホームベーカリーで焼いたレーズンパン)

 

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1202052_2

 

1202053

(オーブンで焼いた田舎パン)

 

 

イメージ通りにならなかった理由と思われるものをいくつか列挙してみる。

 ・ 1次発酵と2次発酵の間にあるベンチタイムやパンチが不十分

 ・ 1次発酵と2次発酵がそれぞれ長すぎた、もしくは短すぎた

 ・ パン生地を作るときに混ぜるパン種の分量が多すぎた、もしくは少なすぎた

 ・ オーブンの温度が高すぎた、もしくは低すぎた

 

Google先生に天然酵母パンの作り方を聞くといろいろ教えてくれるけど、酵母や気温などの条件が違うのでその通りにはならない。

逆に言うとその部分が一番の魅力なのかもしれない。

酵母のクセを知り、季節によって発酵の時間を調節しながら作っていくノウハウが自分に蓄積されていくのが楽しみなのだと思う。

 

 

2012年2月 4日 (土)

【おうちでサイエンス(干しぶどうから酵母分離実験)】  8日​目&9日目

増殖2回目が長すぎたような気もするけど、ひとまずパン種が完成。

ここからついにパンを焼く段階に入る。

 

1202041

(2月3日 11時くらい)

 

1202042

(2月3日 22時くらい  かなり膨らんできている)

 

1202043

(2月4日 12時くらい  ボウルいっぱいまで膨らんでいる)

 

実験プロトコルでは増殖2回目の時間を6~8時間としていたけれど、室温が低いので発酵の時間を長く取った(ちょっと長すぎたような気もする・・・)。

3倍くらいの大きさになったパン種を押すと「プシュ~」とガスの抜ける音がする。

 

このパン種を使って、コッペパンと田舎パンを作る予定。

 

パン種のにおいがとてもいい感じなので、焼き上がりが楽しみ♪

 

  

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